「共食(きょうしょく)」のすすめ
食事は、ただ栄養を摂るためだけの時間ではありません。
誰かと一緒に食卓を囲む「共食(きょうしょく)」は、心と体の健康にとっても大切な役割を果たしています。
一方、ひとりで食事をすることは「孤食(こしょく)」と呼ばれ、現代社会ではその機会が増えているといわれています。
農林水産省では、食育の観点から家族や知人との「共食」を推奨しています。
現代の食卓事情
核家族化や生活スタイルの多様化により、家族そろって食卓を囲む機会が減ってきています。
しかし、それでも「共食」が推奨されるのは、私たちの健康や心に良い影響を与えてくれるからです。
本記事では、「共食」の主なメリットを3つに絞ってご紹介します。
① コミュニケーションによる心の健康・ストレスの軽減
「共食」の一番の魅力は、会話を通じてコミュニケーションが取れることです。
家族や友人と一緒に食べることで、自然と笑顔が生まれ、心が安らぎます。
農林水産省が紹介している研究によると、
- 小学生では、朝の疲労感や体調不良が少なく、健康に対する自己評価が高い
- 中学生では、心の健康状態が良好
- 成人や高齢者では、ストレスが少なく、自分を健康だと感じる傾向にある
- 高齢者の孤食では、うつ傾向が高まる
という結果が報告されています。
② 規則正しい食生活に繋がる
誰かと一緒に食事をすることは、自然と食事のリズムを整えます。
決まった時間に食べることで、生活全体のリズムが安定しやすくなり、適切な量と質の食事が摂れるようになります。
また、誰かの目があることで偏った食事や過食を防ぐ効果も期待できます。
③ 子どもに「食文化」や「食への関心」を育む
共に食卓を囲むことで、子どもは自然と食べ物や作る人への感謝、マナー、文化を学んでいきます。
例えば、
- 季節の食材について話す
- 郷土料理を一緒に食べる
- 食事の準備や片づけを手伝う
といった機会を通じて、五感を使った「食育」が実践されます。
おわりに
「忙しいから」「生活リズムが違うから」と、共に食事をとることが難しい日もあるかもしれません。
しかし、1日1食でも、1週間に1回でも、「誰かと食べる時間」を意識してみてはいかがでしょうか。
食卓を囲む時間は、栄養だけでなく、心を満たす大切なひとときです。
📖参考文献:農林水産省(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/togo/html/part4-1.html)
📷 画像:O‐DAN(https://o-dan.net/ja/)
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